74億分の36

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気がつくと、私は大きな箱の中にいた。立ち上がると箱の中から首だけ出す事が出来た。箱は大きな円を描くように幾つも置かれ、それぞれに人が入れられていた。まるでルーレットの中に閉じ込められたようだった。
「皆様は全人類の中から本日の地球の動力になる権利を手に入れました」
聞こえるアナウンス。
「当選確率は36分の1。それでは開始!」
何の事かわからない。突然、轟音が響き渡ると大きな鉄球が転がりながら迫ってきた。咄嗟に頭を下げると、鉄球は私の上を通り過ぎて遠ざかり、丸く並んだ箱の上をグルグルと回り始めた。殺人ルーレットだ。10回程、頭の上を通り過ぎた鉄球は勢いを無くしフラフラと私の箱に迫る。そして、私の手前の箱に鉄球が落ちると男の絶叫が響いた。

大量の油汗と共に目を覚ます。
夢か…。いや、隣の箱にいた男の犠牲で今日も地球は回っているのだとしたら、今日という日はなんとかけがえのない一日なのだろう。
ファンタジー
公開:19/01/17 00:05
更新:19/01/18 22:07

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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