あやとり
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正月あけの公園に、たくさんの凧が上がっていた。どれもぐんぐん高度を上げるなか、私の息子の糸が、隣の女の子のに絡まった。
あ、と声をあげる間もなく、飛んできた黒い影。あやとりだ。鳥は二本の糸が交差した場所を嘴でつつくと、見事、絡まりを解いてみせた。
ほっとして相手の女の子を見ると、側に立つ男性に見覚えがある。学生時代の彼氏だ。浮気をされ、ひどい捨てられ方をした。
相手も気づいたか、すこし慌ててる。おや、近づいてきたのは奥さんかな。相変わらず、誰にでもお優しそうで。
「ふふ…変わってない」
たったこれだけの言葉に、女の勘は鋭い。奥さんの怪訝な顔に、もうひとつ意地悪な言葉が頭に浮かんだが、次に口を開いたのは子供たちだった。
「うん!変わってないよ!」
ふたつの凧が悠々と空を飛んでいる。その間をゆっくり旋回する鳥を見ていたら、意地悪な言葉はどこかに消えてなくなってしまった。
あ、と声をあげる間もなく、飛んできた黒い影。あやとりだ。鳥は二本の糸が交差した場所を嘴でつつくと、見事、絡まりを解いてみせた。
ほっとして相手の女の子を見ると、側に立つ男性に見覚えがある。学生時代の彼氏だ。浮気をされ、ひどい捨てられ方をした。
相手も気づいたか、すこし慌ててる。おや、近づいてきたのは奥さんかな。相変わらず、誰にでもお優しそうで。
「ふふ…変わってない」
たったこれだけの言葉に、女の勘は鋭い。奥さんの怪訝な顔に、もうひとつ意地悪な言葉が頭に浮かんだが、次に口を開いたのは子供たちだった。
「うん!変わってないよ!」
ふたつの凧が悠々と空を飛んでいる。その間をゆっくり旋回する鳥を見ていたら、意地悪な言葉はどこかに消えてなくなってしまった。
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公開:19/01/16 22:48
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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