放課後の君へ
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「目玉菌うつるからあんま近寄んじゃねーよー」
クラスのいじめっこたちがふざけながら言った。リュウは視力が落ちてしまう珍しい病気にかかっている。空気感染してしまう、厄介な病気。そのせいで年中メガネとマスクをしていて、友達もいない。
図書室の隅っこのテーブルの、一番隅っこの椅子。ここが放課後のリュウの定位置だった。誰にも邪魔されず、本の世界に入り込める。ここで、ありとあらゆる本を読んだ。小説、漫画、謎解き、百科事典。この図書室には、リュウの全てが詰まっていた。
それから10年後。都内のとある書店で、本にペンを走らせる音。
マスクをした男はサインを書き終えると、小さな女の子に本を手渡した。その表情は、マスク越しでも柔和な表情をしているのがわかる。サインの列を外れた女の子は、いつまでも嬉しそうに書かれたサインを眺めていた。
「今日はありがとう 一宮龍」
クラスのいじめっこたちがふざけながら言った。リュウは視力が落ちてしまう珍しい病気にかかっている。空気感染してしまう、厄介な病気。そのせいで年中メガネとマスクをしていて、友達もいない。
図書室の隅っこのテーブルの、一番隅っこの椅子。ここが放課後のリュウの定位置だった。誰にも邪魔されず、本の世界に入り込める。ここで、ありとあらゆる本を読んだ。小説、漫画、謎解き、百科事典。この図書室には、リュウの全てが詰まっていた。
それから10年後。都内のとある書店で、本にペンを走らせる音。
マスクをした男はサインを書き終えると、小さな女の子に本を手渡した。その表情は、マスク越しでも柔和な表情をしているのがわかる。サインの列を外れた女の子は、いつまでも嬉しそうに書かれたサインを眺めていた。
「今日はありがとう 一宮龍」
青春
公開:19/01/16 19:39
茨城で小説書いてます!
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