特別な1日

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儂は特別なものが大好きだ。だから儂にとって特別な1日である誕生日はとても楽しみだ。
息子と娘と孫達に囲まれ、儂は皆からの特別なプレゼントを貰う。儂だけの特別なオンリーワンのプレゼントを。
もし大量生産品のつまらないものを持ってきたら、遺産相続権からそいつを外す。
そう言うと皆が儂だけのプレゼントを必死に見繕ってくる。これほど楽しいことはない。
「おじいちゃん、誕生日おめでとう!」
孫娘がケーキを差し出してきた。不格好であるところ手作りケーキか。構わん構わん。儂だけの特別なものなら何でもいいさ。
儂はケーキに刺さっている大きな蝋燭の火を一息で消し去った。ああ、今日は最高の1日だ…

「ママ。おじいちゃん、自分の命の蝋燭の火、吹き消したね」
「ええ、なんて幸せそうな死に顔なのかしら」
「よくやった。これで爺さんの悪ふざけからやっと解放される!今日は最高の1日だ」
息子や娘、孫達は大いに喜んだ。
ホラー
公開:19/01/18 18:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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