8
11
一人暮らしの家計管理のため、ノートにレシートを貼り付けていて、奇妙なことに気づいた。
レシートが少しだけ、長くなっているのだ。
同じ店の同じ買い物なのに、レシートが一ミリ弱長い。ロゴも、文字も、行数も、余白も、同じ寸法だから、行間が僅かに広くなったのだろうと、その時は納得した。
数日後、私は、私の前で、私と全く同じ買い物をした人が店の前に捨てたレシートを拾った。自分のと比較すると、私の方が、少しだけ長かった。持ち帰って、過去のものと比べてみると、拾ったレシートは、以前と同じ寸法だということがわかった。
他店のレシートも、領収書も、順番待ちの番号札も、ガソリンの明細も、宝くじも、私のだけ少し長かった。
カーテンも少し長い。冷蔵庫も、靴べらも、街でもらったポケットティッシュも、戸籍謄本も、ほんのすこし長い。
「保険証も、診察券も、処方箋も、長いです。蛇口の水も、臍の緒も、みんな…」
レシートが少しだけ、長くなっているのだ。
同じ店の同じ買い物なのに、レシートが一ミリ弱長い。ロゴも、文字も、行数も、余白も、同じ寸法だから、行間が僅かに広くなったのだろうと、その時は納得した。
数日後、私は、私の前で、私と全く同じ買い物をした人が店の前に捨てたレシートを拾った。自分のと比較すると、私の方が、少しだけ長かった。持ち帰って、過去のものと比べてみると、拾ったレシートは、以前と同じ寸法だということがわかった。
他店のレシートも、領収書も、順番待ちの番号札も、ガソリンの明細も、宝くじも、私のだけ少し長かった。
カーテンも少し長い。冷蔵庫も、靴べらも、街でもらったポケットティッシュも、戸籍謄本も、ほんのすこし長い。
「保険証も、診察券も、処方箋も、長いです。蛇口の水も、臍の緒も、みんな…」
その他
公開:19/01/18 12:23
更新:19/01/18 14:39
更新:19/01/18 14:39
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿できます