171. 緩衝材

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母と中三の受験生の長男を置いて、夫と娘そして私とで夫の実家へ新年の挨拶を無事に済ませ夕方帰宅した。
「ばあちゃんに何も変わりはなかった?」
「あぁ特には無かったよ。ずっとTV観て笑ってたみたいで楽しそうな声が俺の部屋まで聞こえてきてたよ」
「母さん、ずっとTV観てたの?」
「あぁお帰り。正月の番組はなかなか面白いね♪若手のお笑いの人もなかなかやるじゃない」
今日も体調も機嫌も良さそうで良かった。
早速お義母さんから戴いてきたお年賀のお菓子を息子に渡した。
「あなたの好きなお菓子やさんのよ」
息子は丁寧に包装紙を開け、中の緩衝材のビニールを手にした。
それを目にした母は途端に顔色を変え、直ぐにそれを奪い取った。小学生の娘はまたばあちゃんに取られたと泣きそうな顔になっている。
次の瞬間、母は無心にプチプチとそれを潰し始め、淹れたお茶にもお菓子にも全く目をくれず、全部潰すまで決して離さなかった。
その他
公開:19/01/15 08:00
更新:19/01/15 21:50

ことのは もも( 日本 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
最近書いたものと昔書いたものをランダムにアップしています。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します☆

2018年5月から書き始めて、2019年3月の時点で200作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツ書いていこうと思います(*^^*)
 

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