通じ合う二人

私は新しい雑貨屋さんを始めた。日本の経世済民（経済）を少しの力でも潤してやろと考えたから。
プレファブリケイティッドハウス（プレハブ）作りの簡素な建物は今の私には充分すぎるほどだ。

「いらっしゃいませ」
なかなか順調な滑り出しで人も来てくれている。
エバーレディーシャープペンシル（シャープペン）とボールポイントペン（ボールペン）を購入する男性。いつも見かける。
「あの〜、このお店には切符手形（切手）は扱ってないですか？」
き、き、切符手形⁈私は動揺した。もちろん私はそれが切手であることは知っている。この世に正式名称を発する人間がいるとは驚きだった。
「申し訳ございません。お取り扱いはなく、日本郵便株式会社の事業所（郵便局）なら右角にありますので」と私は応えた。男性はニヤリと左口角を上げ「ありがとう」と。私はレジスター（レジ）を操りお釣りを渡し、「どういたしまして」と右口角を上げた。