幾星霜
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しんと冷える夜。
満月が照らす公園に一羽のウサギがいた。
ーー最近。みんな来ないな
ウサギは公園のスプリング遊具だった。
夕暮れまで子供達と遊んだ頃を思い出してると、男がやってきた。
ーーあの子知ってる。昔、遊んだ子だ。大きくなったなあ
ウサギにもたれ掛かると、男は煙草を取り出した。
ーー乗ってくれるのかな
しかし、男は一服しながら苛立たしく右手でウサギを殴りつけた。
ーーあれ
煙草の火をウサギの左眼に押しつけると、男は歩き去った。
ーー乗ってくれないの
ウサギは再びひとりぼっちになった。
やがて空気も時間も静かに凍てつき始めた頃。
ーーうわ
目の前に星空が落ちてきた。
空気中の氷の結晶は無数の星のようにきらめき、ウサギを覆った。
夜が白み始めた。
公園の芝生には雪化粧したように霜が降りた。
空は青く染まりだした。
ウサギは、全身を包む星と共に淡く溶けた。
満月が照らす公園に一羽のウサギがいた。
ーー最近。みんな来ないな
ウサギは公園のスプリング遊具だった。
夕暮れまで子供達と遊んだ頃を思い出してると、男がやってきた。
ーーあの子知ってる。昔、遊んだ子だ。大きくなったなあ
ウサギにもたれ掛かると、男は煙草を取り出した。
ーー乗ってくれるのかな
しかし、男は一服しながら苛立たしく右手でウサギを殴りつけた。
ーーあれ
煙草の火をウサギの左眼に押しつけると、男は歩き去った。
ーー乗ってくれないの
ウサギは再びひとりぼっちになった。
やがて空気も時間も静かに凍てつき始めた頃。
ーーうわ
目の前に星空が落ちてきた。
空気中の氷の結晶は無数の星のようにきらめき、ウサギを覆った。
夜が白み始めた。
公園の芝生には雪化粧したように霜が降りた。
空は青く染まりだした。
ウサギは、全身を包む星と共に淡く溶けた。
ファンタジー
公開:19/01/16 17:42
更新:19/01/16 19:04
更新:19/01/16 19:04
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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