靴紐の呪い
10
8
やっぱり罠だったんだ。ウラにもらった靴紐に目を落とす。35キロ過ぎ。足が急に重くなる。こんなこと一度もなかったのに。
ライバルは友達じゃないぞ。コーチの言葉が頭をよぎる。ウラの国では、困ればすべてが呪術頼みらしい。そんな噂もチームメイトからよく聞かされた。
疑いたくない。でも、実際に足が上がらないのだ。先頭のウラが遠のき、意識まで朦朧とし始める。これも呪い?暗くなる視界の先に、見たこともない村の景色が広がった。
靴紐を枝にぶら下げて村人たちが歌っている。中心にいるウラに、隣の子供が尋ねる。
「こんなので効くの?」
「うん。最後には切れるから」
「靴紐が?」
「馬鹿ね。切れるのは、しがらみ」
プチん、と音がして意識が戻ると、私はウラに追いついている。軽くなった足元を確認すると、隣のシューズにも同じ靴紐。私たちは目を合わせ、同時にスパートをかけた。
ライバルは友達じゃないぞ。コーチの言葉が頭をよぎる。ウラの国では、困ればすべてが呪術頼みらしい。そんな噂もチームメイトからよく聞かされた。
疑いたくない。でも、実際に足が上がらないのだ。先頭のウラが遠のき、意識まで朦朧とし始める。これも呪い?暗くなる視界の先に、見たこともない村の景色が広がった。
靴紐を枝にぶら下げて村人たちが歌っている。中心にいるウラに、隣の子供が尋ねる。
「こんなので効くの?」
「うん。最後には切れるから」
「靴紐が?」
「馬鹿ね。切れるのは、しがらみ」
プチん、と音がして意識が戻ると、私はウラに追いついている。軽くなった足元を確認すると、隣のシューズにも同じ靴紐。私たちは目を合わせ、同時にスパートをかけた。
その他
公開:19/01/11 22:22
更新:19/01/11 22:31
更新:19/01/11 22:31
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
ログインするとコメントを投稿できます