渦
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記憶の奥底の暗闇の中・・・
黒い物体は私の顔を見ながら、口元をおさえ嗤っている。
「僕のことを覚えている?」
私は首を横に振る。
顔のない影は、高笑いをした。
「だよな。だって、僕もまさか光の自分に出会えるとは思ってもみなかった」
「光?」
「そう。人間にはいくつもの人格を持っていて、君は光を携えている」
「どうして、ここに連れてこられたの?」
「こっちがききたいさ。お前、光を忘却しただろ」
「忘却?」
「そうさ。人間は慈悲の心を失い、光を奪われると、この場に連れてこられ、同じ境遇に立たされるという訳さ」
「どうしたら、ここから出られるの?」
「もう無理だよ。暗闇の矯正施設からは、誰も抜け出すことは出来ない。もう、光は遮られた」
「僕はどうなるの?」
もう一人の自分は光の僕から表情を奪った。
私は無くなった顔をなで回し、渦にのみ込まれた。
黒い物体は私の顔を見ながら、口元をおさえ嗤っている。
「僕のことを覚えている?」
私は首を横に振る。
顔のない影は、高笑いをした。
「だよな。だって、僕もまさか光の自分に出会えるとは思ってもみなかった」
「光?」
「そう。人間にはいくつもの人格を持っていて、君は光を携えている」
「どうして、ここに連れてこられたの?」
「こっちがききたいさ。お前、光を忘却しただろ」
「忘却?」
「そうさ。人間は慈悲の心を失い、光を奪われると、この場に連れてこられ、同じ境遇に立たされるという訳さ」
「どうしたら、ここから出られるの?」
「もう無理だよ。暗闇の矯正施設からは、誰も抜け出すことは出来ない。もう、光は遮られた」
「僕はどうなるの?」
もう一人の自分は光の僕から表情を奪った。
私は無くなった顔をなで回し、渦にのみ込まれた。
ミステリー・推理
公開:19/01/13 20:34
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