風呂の湯

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私は今、友人たちと温泉に来ている。

「見て見て! この『お肌の湯』、ホントにお肌スベスベになるわよ!」
「こっちは『疲労回復の湯』だって! あぁ、疲れ取れるわぁ」
「あっちの『薔薇の湯』も最高だったよ! まさに華やかで夢のようなひと時!」

ここには様々な効能のある浴場がある。
私はその中でも、こじんまりとしたところに入っていた。
広すぎるところって、なんだか落ち着かないのよねぇ。

「ねぇ、あんた何でそんなところ入ってるのよ?」
「勿体なーい」
「ほんと、ほんと!」
「勿体ない? ここも気持ち良いよ?」
「相変わらず庶民派ね」
「ちゃんと確認した?」
「あんたの入ってる湯……」

私は確認していなかった湯の名前が書いてある立て看板を見た。

『風呂の湯』

「そこ、特にこれといった効能ないわよ」
「そうそう。なんせ、ただのお風呂だもん」
「セレブが一般家庭のお風呂を体験するための、ね」
その他
公開:19/01/12 23:30

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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