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冬季のバイトとしてここに来た高校生の彼女は、顔も髪もとても美しかったので私はとうとうこの時がやって来たのだと思いました。

しかし私が彼女に触れれば私はここを辞めさせられるでしょう。だから知り合いの女性にそれを頼みました。
彼女のバイトが休みの日に、街で彼女にヘアカットモデルのスカウトをしてもらったのです。
えぇ、彼女は自身でも自分の美しさには気がついていたようでそれを断りませんでした。
その日のうちに彼女の艶やかな黒髪は私の元に届きました。

それを丁寧に、海苔の原藻と共に製造機に。ぐるぐる回りながら海苔は不純物を取り除き段々と形になっていきます。

全ての工程を終え出来上がったばかりの海苔を私は壊さないように抱き締め、彼女のために特別なパッケージに。
彼女はバイトの最後の日にそれを嬉しそうに受け取ってくれました。

私は今夜もその特製の海苔に頬擦りをし、丁寧に噛み締めていただきます。
ホラー
公開:19/01/11 08:00
更新:19/01/12 02:53

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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