Boy's-『ビー』~英語の〇〇

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『To be, or not to be(生きるべきか、死ぬべきか)』
中一の夏。授業でハムレットをやってて、先生が隣に書いた。
『To be, to be, ten made to be』
「はい、出来る人」
みんな下を向く中、一本上がる。
「もう出来てる」
前の席、丸眼鏡の委員長。みんな『まるお』と呼んでた。
「10歳は小四で過ぎた」
みんな拍手し、先生は笑った。
「……多分無理」
僕は手を上げず答えた。
先生が5秒黙り、唇を曲げた。
まるおの背中が7秒固まって震えた。

種を明かすと、僕は半分寝てた。余分を足したのも気付かず、盛大にボケた。
『To be, two bee, ten made to be(2匹の蜂を10匹にしろ)』


「また先生遊ばれてる。さすが学年首位のまどか女史」
古文の先生をからかって去る彼女に、聞こえる様に呟き、そっと笑う。
反則勝ちは、ノーカウントかな。
ミステリー・推理
公開:18/10/17 22:42
〇〇の細道 スピンオフ①

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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