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村に羊のように白い体毛が生えている男がいた。羊男と皆が気持ち悪がり今は山奥で孤独に暮らす。
ある日、沢の方へ行くと子供が泣いていた。子供は羊男を見て腰が抜けその場に座り込んだ。「大丈夫だから」と迷子らしき子供を抱えると羊男のふわふわの毛を「気持ちいい」と言い安心した様子でスヤスヤと眠りについた。「気持ちいい」と子供に言われた事で羊男は自分を肯定できるようになった。子供を村へ送り、また孤独を抱えた。しかし自分を肯定出来た事で寂しくはなかった。
ある日、助けた子供が高熱で危ないと耳にした。村には身体を暖める物がない。羊男は身体中の羊毛を刈り込みツルツルになった身体に布切れ一枚をまとい冬の空を駆け出した。
「コンコン」戸を叩く音がして開けると男が立っていた。手には山ほど羊毛を持ち「これで子供さんを暖めてあげて下さい」と言い残し去って行った。その後子供は元気になったが羊男らしき人は見なくなった。
その他
公開:18/10/17 17:22

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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