10
14
今や動物は進化し、人間と仕事をしている。野良の動物たちが出世し、人間は転職を繰り返していた。
「職場見学をしたいのですが」
警備のドーベルマンに頭を下げ、受付のネコに話しかける。彼女は私の申し出を快く引き受けてくれた。フロアを案内する後ろ姿には尻尾が揺れている。
「転職をお考えですか?」
「ええ、今は人間が固まっている職場にいるのですが息苦しくて」
忙しくしている部署に到着した。ネコは次々に社員を指さす。
「あちら営業のチーターとチンパンジー、ネズミです。ヤギとキリンは書類の管理、イヌは電話対応をしています」
「あのナマケモノは」
「おやつ係です。それぞれが得意な仕事をしています」
「ここに人間の仕事はあるんでしょうか」
猫は笑顔で頷いた。
「もちろんです。あなたたちは鎖に繋がれたことがない。何だってできますよ」
中途採用の書類を片手に帰りながら、ネコの言葉は私の頭の中を回り続けていた。
「職場見学をしたいのですが」
警備のドーベルマンに頭を下げ、受付のネコに話しかける。彼女は私の申し出を快く引き受けてくれた。フロアを案内する後ろ姿には尻尾が揺れている。
「転職をお考えですか?」
「ええ、今は人間が固まっている職場にいるのですが息苦しくて」
忙しくしている部署に到着した。ネコは次々に社員を指さす。
「あちら営業のチーターとチンパンジー、ネズミです。ヤギとキリンは書類の管理、イヌは電話対応をしています」
「あのナマケモノは」
「おやつ係です。それぞれが得意な仕事をしています」
「ここに人間の仕事はあるんでしょうか」
猫は笑顔で頷いた。
「もちろんです。あなたたちは鎖に繋がれたことがない。何だってできますよ」
中途採用の書類を片手に帰りながら、ネコの言葉は私の頭の中を回り続けていた。
ファンタジー
公開:18/10/19 01:12
生まれ変わったらジンベエザメになりたい。
Twitter@hrpkrybook
お問い合わせ
hndk.ak@gmail.com
使用写真はすべて自分で撮影しています。
ログインするとコメントを投稿できます