チョコ仮面

夜の街にポッチャリ体型なバレンタイン限定ヒーロー・チョコ仮面がいた。

「ヘイ！　そこの君ぃ！　チョコ貰えなかったみたいだね。私は一目見ただけでチョコを貰えたかどうかわかる能力を持っているのさ」
「うるせー」
「ノン、ノン。チョコ貰えなかったくらいで、そんなに怒るんじゃない。私がプレゼントしよう」
「オッサンから貰っても嬉しくねーよ」
「チッチッ。騙されたと思って中を見なさい」
男がチョコ仮面から手渡された箱を開ける。
「……おっぱい？」
「イエス！　おっぱいから型どったチョコさ！　エクセレントだろ？」
「どうやって手に入れたんだよ？」
「私のおっぱい、さ」
「お前のかよ！」
「言っておくが、私はレディよ」
「嘘だろ？」
「どう？　やっと運命の歯車が回り出した、と思わない？」
「ゴメン、無理」

チョコ仮面。
バレンタインデーの夜に男を求めて、ちょこっと甘い言葉を囁いている、かもしれない。