藤位名人対ポナンザ

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「将棋ソフトの読み筋を言語化できるよう開発しました」

かくして「藤位名人対ポナンザ」の対局が始まった。藤位名人勝勢のまま終盤に。

「これは藤位名人の勝ちですね」と羽部永世名人。
「8一飛車の王手も、6一歩と金底の歩で岩より堅し」と森上九段の顔もほころぶ。

ポナンザ 8一飛車 藤位名人 6一歩

その時、評価値が一気に+9999に!

「おお、詰みですね。ようやく人間の勝利が」
「いや羽部先生、+9999はポナンザの方です。ポナンザが勝ちと出ています!」
「何!」

ポナンザ 同飛車成り 王手

「取ったよ! えっ取った? どういうこと?」

ピー。パソコンから電子音が。「何かしゃべるぞ!」

藤位玉ニ詰ミ発生。九十七手詰メデス。

「九、九十七手詰め?!」

三十数手ほど指し、藤位名人が投了を告げた。

ピー
金底ノ歩ハ悪手ネ。常識ヲ疑イナサイ。常識ヲ
ピー

戦慄が辺りを支配した。
SF
公開:18/10/18 19:37
更新:18/10/18 21:08

数理十九

第27回ゆきのまち幻想文学賞「大湊ホテル」入選
第28回ゆきのまち幻想文学賞「永下のトンネル」長編佳作
一期一会。
気の向くままに書いては、読んで、コメントしています。
特に数学・物理系のショートショートにはすぐに化学反応(?)します。
ガチの数学ショートショートを投稿したいのですが、数式が打てない…
書こうと考えてもダメで、ふと閃いたら書けるタイプ。
最近は定期投稿できてないですが、アイデアたまったら気ままに出没します。

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