走る男

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歩くのは時間がもったいないと、いつも走って移動する男がいた。彼女が出来ても合わせる事が出来ず、彼はずっと一人暮らし。ある日小さな捨て犬を拾って飼うことになる。茶色の毛を持つ子犬はとても元気でご飯も沢山食べた。ずっと家の中も可哀想なので散歩に出掛けることにした。生まれて初めての犬の散歩。緊張の面持ちでリードを持つ。子犬は嬉しさのあまり元気に駆け出した。彼も嬉しく一緒に駆け出す。なんて楽しい時間なんだと思っていたのも束の間、体力もまだ無い子犬は歩き始めた。ゆっくり歩く子犬に彼はイライラしてきた。時折、リードを強く引っ張り子犬を引きづった。「キャン」と子犬の声に我に返った。子犬は前足を少し引きづって彼を見つめていた。彼は大人気ない行動をおおいに恥じた。ゆっくり歩く子犬に合わせ始める。彼は我慢しながらも子犬との散歩でまわりの景色や自然や人々の様子に気がつくようになり、ちょっと歩くのも好きになった。
その他
公開:18/10/18 13:08

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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