うっかりもの
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私はドアを開けて部屋へ飛び込んだ。幼馴染の双子の弟、ウメヒコが笑顔で立っていた。
「動かすときは言えってあれほど!」と私は詰め寄った。
「まあまあ。ちゃんと確認はしたよ」
ウメヒコは悪びれる様子もない。
双子は発明の天才だった。だがそれゆえ思いがけないところで抜けがあるので、小さいころから私がお目付け役として動いていた。
双子は研究所に所属し成果を出していたが、世間に理解されない独自の研究を自宅でひそかにしていたのだ。
「タイムマシンができた喜びはわかるけど……」
「だから、ちゃんと確認したよ。動作、センサー、計器。すべてオッケーだ。いまごろマツヒコは江戸の町並みを堪能してるはずだよ」
「……タイムマシンに翼はついているのか?」
「何言ってるんだ。そんなもの必要ないだろ」
きょとんとするウメヒコに冷や水をかけるように叫んだ。
「ここはタワーマンションの最上階だぞ!」
「動かすときは言えってあれほど!」と私は詰め寄った。
「まあまあ。ちゃんと確認はしたよ」
ウメヒコは悪びれる様子もない。
双子は発明の天才だった。だがそれゆえ思いがけないところで抜けがあるので、小さいころから私がお目付け役として動いていた。
双子は研究所に所属し成果を出していたが、世間に理解されない独自の研究を自宅でひそかにしていたのだ。
「タイムマシンができた喜びはわかるけど……」
「だから、ちゃんと確認したよ。動作、センサー、計器。すべてオッケーだ。いまごろマツヒコは江戸の町並みを堪能してるはずだよ」
「……タイムマシンに翼はついているのか?」
「何言ってるんだ。そんなもの必要ないだろ」
きょとんとするウメヒコに冷や水をかけるように叫んだ。
「ここはタワーマンションの最上階だぞ!」
SF
公開:18/10/16 11:59
更新:18/10/16 13:00
更新:18/10/16 13:00
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