果族
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「果物の果に民族の族って書いて、果族っていう植物があるんだけど、知ってる?」
そう切り出したのは、僕の弟だった。
「いや、知らない。なんだそれ」
「最初は種から育てるんだけど、果実ができると、それが人間の形になるんだよ」
「うん、それで?」
すこし不気味な気もしたけれど、続きを促す。
「で、その名前の読み方通り、かぞくの一員になってくれるんだよ」
「へえ、そんな植物があるんだ」
「他の人間と大差なく会話ができるし、家事だってこなせる。種の種類によって年齢、性別たくさんの数があるんだ」
「でね、こんなふうに……」
弟は唐突に、僕の左手を切り落とした。甘い香りが漂う。
「食べることもできるんだよ」
無くなったはずの腕の先を見ると、いつの間にか生え替わっていた。
しばし呆然としていたが、弟の呼ぶ声が聞こえたので家族の輪の中に入っていく。
「あれ、なんか苺の味がしない?」
「……うむ」
そう切り出したのは、僕の弟だった。
「いや、知らない。なんだそれ」
「最初は種から育てるんだけど、果実ができると、それが人間の形になるんだよ」
「うん、それで?」
すこし不気味な気もしたけれど、続きを促す。
「で、その名前の読み方通り、かぞくの一員になってくれるんだよ」
「へえ、そんな植物があるんだ」
「他の人間と大差なく会話ができるし、家事だってこなせる。種の種類によって年齢、性別たくさんの数があるんだ」
「でね、こんなふうに……」
弟は唐突に、僕の左手を切り落とした。甘い香りが漂う。
「食べることもできるんだよ」
無くなったはずの腕の先を見ると、いつの間にか生え替わっていた。
しばし呆然としていたが、弟の呼ぶ声が聞こえたので家族の輪の中に入っていく。
「あれ、なんか苺の味がしない?」
「……うむ」
その他
公開:18/10/15 22:19
更新:18/10/16 00:10
更新:18/10/16 00:10
家族
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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