助けられたのは僕のほう

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僕が働く会社には高齢猫5匹が暮らしている。
社長の娘さんが猫の保護活動をしていて、社長自ら古民家を改装した会社は「オフィス」というよりも「田舎のばぁちゃんち」だ。
そこには猫達だけにならないよう24時間必ず誰かがいる。
出勤すると、デスクではなくマイこたつに入る。
こたつの電源を入れると、白猫のモチが来た。
「モチ、おはよう。こたつ入るか?」
こたつ布団をめくるとモチは中に入り香箱座りをした。僕はモチの邪魔にならないよう正座をする。
今度はキーボードの上に黒猫の豆太が寝そべる。仕事を中断し、豆太をそっと撫でる。
窓際にある猫用ベッドには、ピースとピピがくっついて眠っている。
豆太がキーボードから離れたので、仕事をしよう。すると今度は大福がキーボードに乗る。僕は大福を優しく撫でる。
ここでは猫達が最優先。BGMは猫から流れるゴロゴロサウンド。
この会社の採用条件は、猫が好きな人。それだけだ。
その他
公開:18/10/15 20:10

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