標本
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新品のパックジュースにストローを突き刺す。スカッと空気を吸い込み、俺は思わず咳き込んだ。
「なんだ?カラじゃないか」
「にいちゃん!標本、開けちゃったの?」
弟が詰め寄る。
「いたずらはやめろよ。冷蔵庫なんかに置いて」
「いたずらじゃない。パックの標本さ。昆虫には飽きたから」
「変わり者だなあ」
次の日。
歯磨き粉を押し出す。何も出てこない。
「にいちゃん!標本壊すのやめてよ!」
「だから、変なもの置くなよ」
「あるべき場所にあるから良いんだよ!」
その次の日。
床で寝ていたタマを撫でる。べとりとした感触。毛並みが乱れる。
「にいちゃん」
「おまえ」
「邪魔、しないでよ。いい加減」
・・・。
「ねえ、お兄ちゃん知らない?」
「ママ、僕見たよ」
「あら、どこで?」
「上で勉強してるよ、ずーっと」
「感心ね」
「うん!兄のあるべき姿だよね 」
「なんだ?カラじゃないか」
「にいちゃん!標本、開けちゃったの?」
弟が詰め寄る。
「いたずらはやめろよ。冷蔵庫なんかに置いて」
「いたずらじゃない。パックの標本さ。昆虫には飽きたから」
「変わり者だなあ」
次の日。
歯磨き粉を押し出す。何も出てこない。
「にいちゃん!標本壊すのやめてよ!」
「だから、変なもの置くなよ」
「あるべき場所にあるから良いんだよ!」
その次の日。
床で寝ていたタマを撫でる。べとりとした感触。毛並みが乱れる。
「にいちゃん」
「おまえ」
「邪魔、しないでよ。いい加減」
・・・。
「ねえ、お兄ちゃん知らない?」
「ママ、僕見たよ」
「あら、どこで?」
「上で勉強してるよ、ずーっと」
「感心ね」
「うん!兄のあるべき姿だよね 」
ホラー
公開:18/10/16 23:57
結婚し、幸せになりを潜めて3年。
再び書きたくて登場。
多分そのうちまた消える。
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