黒い缶

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自動販売機で、ジュースを買った。
缶のオレンジジュースを買ったはずだったのに、出てきたのは真っ黒で何も書かれていないものだった。

振ってみる。
中身は入っているようだ。

本来冷たいはずのジュースなのに、なぜかこの缶は生ぬるい。
自販機の故障と、缶の入れ間違えがたまたま同時に起こっただけか。

家に持ち帰った。
はじめはすぐに飲む予定だったが、なんとなく、その珍しさに浸りたくて開けずに持ってきたのだ。

異変は、机にその缶を置いたときに起こった。

べごん。

大きな音と共に、缶が大きくひしゃげた。
「びっくりした……」
おそるおそる近づいてみる。

あれ?
缶のタブが無くなっている。
一瞬だけ、タブが付いていない飲み口が、大きく口を開けた人の顔に見えた。

その瞬間。

目の前が真っ暗になる。
首に鉄のような冷たい感触。


後日その部屋で発見された缶の中には、人の眼球が入っていた。
ホラー
公開:18/10/16 21:27

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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