神様と一緒

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「明日の試合、どうか勝てますように!」
今日まで出来る限りのことをした。あとはその成果を試合で出すだけだが…あがり症の俺は自信がない。
だから今こうして神頼みをしている。
そんな姿を見て、母が一冊の古ぼけた本を手渡してきた。
これは…家系図?
「ウチのご先祖様見てみな」
そう言われ、最初のページをめくるとそこには「龍神」と書かれてあった。
なんだこれ?漫画かラノベか何かか?
「昔はね、神様と人間が結婚するなんてことがあったんだよ。ウチもその一つだ」
知らなかった…だが、それがどうしたというんだ?
母は俺の胸を軽く小突く。
「いいかい。神様はあんたの中にいる。神様を信じるのなら、自分を信じな」

翌日、俺は試合前に胸に手を当て深呼吸する。
大丈夫。俺には神様がついている。
そう自分に言い聞かせ、試合に向かう。
不思議と緊張はしなかった。不安もない。
母の力強い拳が俺を後押ししてくれたからな。
公開:18/10/16 18:53

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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