終焉の鐘

ふと意識が戻ると
体を羽交い絞めにされていた
再び僕の意識を奪おうと首の根元までしっかりキメてきている

僕のことを呼ぶ声がする
遠くの方で警報が鳴っている
危機が訪れている事は明白だった

体が動かないわけじゃない
それでもこの呪縛から逃れられないのは自分が弱いせいだ
相手は疲れ知らずで、僕の体を抑え込む

まぁこれはいつもの事だ
戦うべき相手は自分自身
どんな強敵だろうと強い意志が僕を勝利へと導く
弱いと思い込んで、縛り付いているのは自分なのだ
どれだけ時間がかかろうとも、その呪縛を解き放ってきた

そう、僕は強いはずなんだ
だから今日も越えて見せる

全身の神経を集中させ、心を無にする
いつしか警報は聞こえなった
内なる世界から真の力を目覚めさせる

目を開き、渾身の力で起き上がった

駄目だった
敗北だ

無情にも終焉の鐘が鳴り響いていた

そっと布団から出て電話を手に取り謝罪した