呪いの神が示す先

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俺は呪い神。今、ある男に憑りついているがこいつがとても厄介でな。
普通の人間なら自殺してしまいそうな辛い出来事でも平然としてやがる。
どんなに裏切られても、騙されても、踏まれ、陰口を叩かれようとも必死に生きている。
血の滲むような努力をし、無駄に終わることなんて日常茶飯事だ。
それでもこの男と来たら挑戦をやめない。
いい加減、俺もこの男が哀れになってきた。
だから気まぐれにも「そっちはダメだ。あっちに行きな」と道を示してやった。
その日から男に変化があった。
努力が報われるようになった。愛されるようになった。
呪い神である俺が取り付いているのにどういうことだ?
疑問に思っていると久しぶりに会った死神に指摘された。
「お前さん、あの男に道を示したが為に祝い神になっているよ」
なんてことだ。あの時、口に出して示したことで俺の在り方も変わったのか。
まあ、幸せになったこの男を見守るのも悪くない。
公開:18/10/13 19:29

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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