蹴球マン

時は２０ＸＸ年。
日本サッカー界に最強の正義のヒーローが誕生した。
彼の名は蹴球マン。
高身長で強靭な肉体。俊足なうえ、スタミナもマラソン選手を凌駕する。サッカーセンスも抜群。
試合に出れば確実に１ゴールは決める攻撃力。幾度となく絶体絶命のピンチを防ぐ守備力。ゲームを組み立てる展開力。
ゴールキーパー以外であれば、どのポジションでもトップクラスのオールラウンドプレイヤー。
そう、サッカーは１人でするものではない、とは言えども彼さえいれば日本は最強なのだ。

そして舞台はワールドカップ。
グループリーグ初戦、彼の活躍で見事に勝利。
そんな舞台裏で事件が起こっていた。

「え？　グループリーグ２戦目が日曜で３戦目が木曜なんですか？　それは非常に残念ですねー」

蹴球マン、木曜と日曜はお休み。
まさかの週休２日制。

蹴球マン不在の中、日本はあっさり２連敗し、惜しくもグループリーグ敗退となった。