父兄参観の補欠

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涼介は彼女の娘、茜が通う某小学校の父兄参観に、代理で来ていた。
「それでは川島さん」
「はい」
(作文)
私は母と二人で暮らしていた。しかし、母に恋人がいたらしく、涼介という彼氏が最近ウチに住むようになった。あんなチャラい男、どうして母が好きになったのかわからない。母に聞いたことがある。どうしようもない奴だけど、いっしょにいると幸せだと母は言う。私は、母に感謝している。だから母が幸せならそれでいいと思った。でも、父親でもないわけだし、どう接したらいいか、わからない。だから、涼介は川島家の補欠でしかないのだ。(了)

涼介は、校舎を背に家路へ向かった。茜は教室の窓から、涼介の背中を見ていた。

玄関のドアを開けると、彼女は夕飯の支度をしていた。涼介は黙って背中を抱いた。
「涼介ありがとう。で、どうだった茜」
「俺、監督になるよ。お前と茜の……結婚しよう」

その夜、三人は食卓で円陣を組んだ。
その他
公開:18/10/12 18:12
スクー 父兄参加の補欠

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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