優しい会社

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激しく後悔している。
社長にとんでもない口をきいてしまったのだ。
毎日遅刻を繰り返していた僕が悪いのに。

「なぜいつも僕が会社に行かないといけないんですか? たまには会社が来てくださいよ!」

咄嗟に口から出た子供じみた言葉が恥ずかしくてたまらない。

僕は体調不良と嘘をつき、2日ほど会社を休んだ。

どうすりゃいいんだ、合わせる顔がない。


朝が来た。

やっぱりちゃんと謝ろう。

僕はベッドで謝罪メールを作成していた。

そのとき急に日光が遮られた。

でかい影。

何かいる!

カーテンを開けると、我が社が浮いていた。

詳しく言うと、
会社が入っているビルの7階フロアだけが、プカプカと浮いていたのだ。

愕然としていると社長室の窓が開いた。

『はやく乗りなさい』

「え?」

『あと2分で遅刻ですよ』

急いでベランダまで伸びたタラップを渡ると、ご飯とみそ汁が用意されていた。
ファンタジー
公開:18/10/12 15:30
更新:18/10/12 15:31
会社 ビジネス

西木( Tokyo/Tokushima )

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