理系×ヲタク＝挑戦者

「先輩、タイカフってご存じですか」
「そりゃあ、そのままの意味で燃えにくい布のことでしょ、耐火布といえば消防とかに使われている」
「そうです、今度納品するのでそれを調べていたら神様、僕は気づいてしまった」
「唐突にバンド名を挟むな」
「てへっ。で、マッチの成分、分かりますよね？」
「硫黄と赤燐とか」
「それをグローブ型に加工した耐火布に塗りつけて手のひらに燃えやすいようばらした化繊を握って指パッチンすれば」
「火がブワッて…それはまさか、あの錬金術師のアニメの…」
「そうです、やれるはずです」
「検証だ」
「総務には上役がいない日の実験室を押さえさせました」
「材料は任せろ、得意先に集めさせておく」
「さすが、持つべきものはできる先輩です」
「てへっ。よーし我々が二次元を三次元に昇華させるぞ！」
「はいっ！」
「その前に、先週のデータ早くもらえないかなあ？」
「部長、いつからそこに…」