余命宣告

私は医師から余命宣告をうけた。
私があと生きられるのは、残り三週間とのこと・・・

私は一日を病院のベッドの上で過ごしていた。
彼が看護師に挨拶をしながら、病室に入ってきた。

「体調はどう？」
彼は私の顔色をみてきいた。

「大丈夫、心配しないで」
私は彼に余計な心配をかけないように返事をした。

私の時間はもう限られていて、彼にしてあげられることがないとわかると、次第に涙がこみあげてきた。

彼は、大丈夫といった私に寄り添いながら、強く手を握った。

「大丈夫・・・絶対よくなるから」
彼は私の手を額にあてて言った。

「ありがとう」
私は涙をぬぐい、屈託のない笑顔をみせた。

病室の窓から夕日が差し込んだ。
彼はいつも絶対に涙をみせないけど、心の中で泣いているのがわかった。