あと10ページちょい。

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お前には原作がある。
私が20歳になった夜、バースデーケーキを前に父はそんなことを言った。母は背を向けて泣いている。
私は自分の人生をオリジナルだと思っていたから、この先の人生にいろいろな夢を見ていた。誰だってそうだろう。自分の人生に原作があるなんて考えもしない。
でも私にはある。自分で選んだと思っていた道も実は原作通りだった。
私は人生を面白くしたい。敷かれたレールを辿るだけなんて耐えられない。そう思って、ある人気脚本家に人生の脚色を依頼した。
2年分を1ページに書いて、1ページ10万円の現金前払い。
私はアルバイトと借金で100万円を用意した。
とりあえずの20年。40才までを面白くしてくださいと頼んだ。
「ラストシーンを決めてからじゃないと書けないなぁ」
脚本家はそう言って、あと5万円を要求した。
あと5万円で面白くなるのならと思って、私は金を工面した。
いや待てよ。
ということは。
公開:18/10/11 11:46

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