男女混合のおばあちゃん

わが家は小高い丘のてっぺんにあり、とても見晴らしがいい。
夫婦2人とも人間観察が趣味で、この地を選んだ。

「女、女、女、女、男、男、女」
2階のベランダに出て、道ゆく人の性別を言い当てる遊びをしている。

「どっちだと思う？」と妻がたずねる。
「ヒョウ柄をきている、螺髪ヘアーだから…大阪のおばあちゃん」
「正解。あっちの畑で作業してるのは？」
「花柄の日よけ帽に、かわいいモンペだから…おばちゃん」
「ふふふ。じゃあ、あのレンガで玄関側をかわいくしてて、お花の手入れをしているのは？」
「あそこもおばあちゃん？」
「残念。畑もお花もおじいちゃん」とご機嫌。

上目遣いで、突然僕を見つめる妻。
「だから、お庭の草とりお願いね」
熊手に鎌、軍手とゴミ袋を渡され、佇む僕。