商売の神様

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「ここの店、また変わったね」
「何やっても上手くいかない場所ってあんのかもな」

道ゆく人の会話に、神様が呼び出したのはアキナイ神だ。

「お前、あの場所の商売にいちゃもんつけてるらしいな」
「とんでもねえ。俺は、ホンモノの商売人を探してるだけさ」
「それが厳しすぎるってんだよ。探すなら、いっそ不動産屋でも見張って、見込みある奴に付いてきゃいいだろうが」
「あんた、それでよく神様やってられるな。俺たちみたいのが、しっぽ振ってどうすんだよ」
「じゃ、はっきり言うわ。お前は商売人の邪魔なんだよ」
「ったく、商いのことにゃ口出さねえでほしいな。俺はな、ただ5年我慢できる奴を待ってるだけなんだよ」
「あ」
「ホンモノがやりゃ、ここほど繁昌する場所は他にないぜ。その証拠に俺が居ついてんだろうが」

「おい、天使!あの店の奥に貼ってあった社是みたいな石の上にも…っての、今すぐ数字書き直してこい!!」
ファンタジー
公開:18/10/11 21:23

糸太

400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。

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