タイムカプセル ＃003

親友のサトルは性格がいい上に成績優秀、学校一のイケメンで、おまけに生徒会長ときている。
大方の予想通り、彼に思慕の念をいだく女子は多く、ファンクラブまである始末だ。
なのに、この三年、彼が誰かと付き合った様子はない。

彼の好きな子を知りたくなったオレは、お互いに好きな子の名前を書いた紙をタイムカプセルに入れて二十歳になったら掘り返そうと提案してみた。
すると、意外にも彼が承諾したので早速実行した。

もちろん二十歳まで待つ気はなく、夜が更けるのを待って掘り返しに行った。
タイムカプセルを開けて彼の書いた名前を見たオレは目を疑った。
そこにオレの名前があったからだ。
明日からどんな顔で彼と付き合ったらいいのか、一晩ゆっくり考えなくては。

結局、昨夜は一睡もできなかった。
覚悟を決めて教室に入り、挨拶しようと彼を見ると、サトルははにかんで目を逸らした。

さては、お前も……