予約の後輩くん(10)

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あの後、泣きそうな顔をぎゅっと抑え込んだまま何も言わなくなった水瀬君と、コーヒーを一杯だけ飲んで、そのまま別れた。
今までの水瀬君の主張からいうと、私の予約とやらの順番は、もう水瀬君にあるといえるのだろうか。
そう考えると途端に照れくさくなって、よくわからない感情で頭がごちゃごちゃになった。
正直、自分が水瀬君をどう思っているのかはよくわからない。
変な状態が長く続いてしまったし、冗談ではないにしろ、予約のことも判断がつかないままだ。
明日会社で会ったら、水瀬君はどんな顔をするんだろう。どんな言葉で、私に話しかけるのだろう。
そんなことを考えているとなかなか寝付けなくて、私は布団の中でうずうずと明日がくるのを待った。
けれどそれから一週間、二週間、三週間が経っても、水瀬君からのコンタクトは何もなかった。
ただ、たまに合うと気まずそうに逸らされる視線に、私は肺の辺りがぎゅっと萎む感じがした。
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公開:18/10/09 23:52
予約の後輩くん

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