最後の一輪

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僕と彼女は、同じ草原で育った。
僕らはこの地球上で、一番最後に残った花畑の中の一員だった。

彼女はとても白く、美しい姿をしていた。
そのため、周りのみんなも彼女のことを放ってはおかなかったし、今にして思えばあれは奇跡だったんだろう。

それは、ある日の昼下がりのことだった。
花畑に一陣の風が吹いた。
その風は図らずも僕らの距離を近づけた。

それからというもの、二人は常に寄り添って過ごした。昼は穏やかな風にふかれ、夜には星空を眺めて話し合ったりもした。

こんな日々がずっと続くと思っていたある日のこと。
何者かが、彼女を連れ去った。
僕は何も出来ずに息絶え、長い時間を経て人間になった。

ああ、やっと見つけた。

彼女は、厳重な囲いに捕らわれていた。
人間はいつしか地球とは別の星に移り住んだ。
彼女は地球の花のサンプルとして採取されていたのだ。


…涙で彼女の純白の花びらが滲んだ。
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公開:18/10/09 21:55
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たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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