透明なチョーク
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ある日、先生が不思議なことを言った。
「これからこの透明なチョークで書くものが見える人、それがこのクラスで成績トップの人です」
そう言って、何も持っていない右手で黒板に何かを書き始めた。
何も持っていないはずなのに、チョークで書いている音がする。
1行分書いてから振り向き「これが見える人」と聞いた。
「はい」リエが手を挙げた。
「では読んでみて」
「『あなたがこのクラスでトップです』です」
「正解。現時点での成績トップはリエさんです」
「トップの人しか見えなければ、僕たち困るよ」思わず声に出した。
「大丈夫。授業では普通のチョークを使います。透明なチョークでは毎日一つだけ【何か】を書きます。それが何かはトップの人だけの秘密です」
その日からみんな猛勉強した。透明なチョークで書かれていることを見たくて。僕も今までにないほど夢中で勉強している。いつかトップになって、【何か】を見てやるんだ。
「これからこの透明なチョークで書くものが見える人、それがこのクラスで成績トップの人です」
そう言って、何も持っていない右手で黒板に何かを書き始めた。
何も持っていないはずなのに、チョークで書いている音がする。
1行分書いてから振り向き「これが見える人」と聞いた。
「はい」リエが手を挙げた。
「では読んでみて」
「『あなたがこのクラスでトップです』です」
「正解。現時点での成績トップはリエさんです」
「トップの人しか見えなければ、僕たち困るよ」思わず声に出した。
「大丈夫。授業では普通のチョークを使います。透明なチョークでは毎日一つだけ【何か】を書きます。それが何かはトップの人だけの秘密です」
その日からみんな猛勉強した。透明なチョークで書かれていることを見たくて。僕も今までにないほど夢中で勉強している。いつかトップになって、【何か】を見てやるんだ。
その他
公開:18/10/10 21:50
更新:18/10/10 21:53
更新:18/10/10 21:53
補欠だからこそ出せる味がある
スピンオフ
文章を書くのが大好きです。
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