届ける

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マリさんは泥棒だ。昨日は砂漠の月光を僕の部屋に届けてくれた。マリさんは黙って光を見つめて、やがてその下に僕が沖縄で買ってきた星の砂をさっと広げて「きれいだね。」と呟いた。
僕は「マリさんが好きだよ。」と、耳元で囁いた。告白するのは、まだ早かったかもしれない。僕の心はバクバクと爆発しそうな音をたてた。
「私もマリを好きになりたい。」
マリさんの肩をそっと抱いて、僕は祈る。
誰か、祈りを届けてください。
ファンタジー
公開:18/10/08 18:34

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