3. 畳、駆ける

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近所の畳屋に行列ができていた。
潰れかけていたのでは?気になった俺は並んでみることに。
列が進み、中へ入るとコースター乗り場のようだ。
ついに俺の番。
一畳分の畳が廊下を流れてきた。俺は靴を脱ぎ、畳へと乗り込む。
畳が駆ける!木造の廊下を右へ、左へ。正面は行き止まり。ぶつかる!と思った瞬間、床下へ!途チュー、鼠が逃げる闇を抜ける畳!
止まった……蝋燭が灯る。小部屋のようだ。からくりで部屋は上昇する。
障子が開き、大広間へと出た。
コース上は大宴会!女中や客人や花魁やものの怪を避ける畳!
いくつもの襖が開くと……
体が浮く。空?直後、板張りの滑り台を急降下!目の前は庭園だ。命を懸けて、畳が空を翔る!
すると池の錦鯉が跳び、畳ごと飲まれた。鯉は池の中を優雅に泳ぐと、俺を吐き出した。そこは畳屋だった。

俺は再び行列に並んだ。
この日、俺は畳に六乗した。
畳屋は大繁畳。当分はたためない床だろう。
ファンタジー
公開:18/10/09 00:53

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』

★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。

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