ホラ吹き奏者

ホラ吹き奏者エピキュリアン斎藤のライブが始まった。
段ボール箱にスポットライトが当たると、フタが開いて斎藤が現れた。
「いやぁ間にあった。未来から今帰ってきたんだ。これかい？タイムマシンさ。作り方は簡単、ガムテープ１つありゃいい。
今日は俺の彼女の話をしよう。
綺麗だけど、ちとばかり背が高いんだ。
自由の女神さ。デート？いつもオープンカフェさ。他の店だと天井がブッ壊れちまうからねぇ。
告白したのは俺だった。『歳が離れたおじさんだけど、俺と付き合ってくれないか』って。そしたら彼女はこう言ったんだ。『いいわ。恋に歳の差なんてないのよ。あなたも身長の差、気にしないでね』だって。
おっと時間だ。未来へ戻らなきゃ、自家用ロケットで家族旅行するんだよ。もちろん彼女の子供とさ。じゃあまた会おう」
斎藤が段ボール箱の中に入ると、スタッフが来て、箱をペタンコに折り畳んだ。

そう、未来に旅立ったんだ。