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貧しい漁師町に海を司る祠がある。
貧しい町は大雨が続き、海で魚を捕ること、ましてや作物を収穫することも出来ない。
祠には、町の金持ちが色とりどりのお供え物を捧げている。
町の貧しい少女は腹を空かせてお供え物を盗もうと祠に行った。
お供え物に手を伸ばすと、一匹の三毛猫が邪魔をするように、目の前に現れた。
「あっちいけ!」
お供え物にあった少し傷んだ酸っぱそうなレモンを三毛猫に投げつけた。
レモンは雨水の中で潰れ、三毛猫はその雨水をペロペロと飲んだ。
すると、今まで聞いたことのない深みのある女の声で、三毛猫は少女に言った。
「私を食べなさい。
私の白いところは温かいもち米。
黒いところはアンコよ。
茶色はきなこ。
食べなさい。
そして、生きなさい」と。
少女は三毛猫にかぶりついた。とても美味しいおはぎだった。
「生きよう」と体の奥から力が漲った。
貧しい町は大雨が続き、海で魚を捕ること、ましてや作物を収穫することも出来ない。
祠には、町の金持ちが色とりどりのお供え物を捧げている。
町の貧しい少女は腹を空かせてお供え物を盗もうと祠に行った。
お供え物に手を伸ばすと、一匹の三毛猫が邪魔をするように、目の前に現れた。
「あっちいけ!」
お供え物にあった少し傷んだ酸っぱそうなレモンを三毛猫に投げつけた。
レモンは雨水の中で潰れ、三毛猫はその雨水をペロペロと飲んだ。
すると、今まで聞いたことのない深みのある女の声で、三毛猫は少女に言った。
「私を食べなさい。
私の白いところは温かいもち米。
黒いところはアンコよ。
茶色はきなこ。
食べなさい。
そして、生きなさい」と。
少女は三毛猫にかぶりついた。とても美味しいおはぎだった。
「生きよう」と体の奥から力が漲った。
ホラー
公開:18/10/08 21:46
更新:18/10/09 00:02
更新:18/10/09 00:02
10月8日
田丸雅知+木村綾子
読書の秋!自分だけの
オリジナル小説をつくろう
下北沢本屋B&B
イベント
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
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