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深い深いまだ深い、そこは底どこまでも底
暗闇が全てを覆い 音が支配するところ
そこは窮屈とても窮屈
水の支配する場所、水が重たいとても重たい
暗い暗いまだ暗い そこは谷どこまでも谷
闇に音があるなら、無音過ぎて耳鳴りの音響く
そこにも生物がいる。確かにいる。
ぼんやりとした灯しが、風のように揺れる。
惹きつけられる。ボクは惹きつけられて行く。
辿りつく、そこは目を覆いたくなるほど痘痕。岩のよう。
しかし柔らかく、それは動く、生きている、生命。生物。
雌だ。
大きな雌。ボクの何倍も何倍も大きく、歳をとった雌。
奇怪かつ美しいおばあちゃん。
ボクはその雌に飛び込む。
噛む。噛む。
俯瞰。ボクと同じ雄が何十何重と雌に刺さっている。同化している。
男女が混ざる、混合する。寄生する。融合する。
ボクはアンコウ。小さなアンコウ。
ボクは雄だから、
なくなる。
雌の体の一部だ。
暗闇が全てを覆い 音が支配するところ
そこは窮屈とても窮屈
水の支配する場所、水が重たいとても重たい
暗い暗いまだ暗い そこは谷どこまでも谷
闇に音があるなら、無音過ぎて耳鳴りの音響く
そこにも生物がいる。確かにいる。
ぼんやりとした灯しが、風のように揺れる。
惹きつけられる。ボクは惹きつけられて行く。
辿りつく、そこは目を覆いたくなるほど痘痕。岩のよう。
しかし柔らかく、それは動く、生きている、生命。生物。
雌だ。
大きな雌。ボクの何倍も何倍も大きく、歳をとった雌。
奇怪かつ美しいおばあちゃん。
ボクはその雌に飛び込む。
噛む。噛む。
俯瞰。ボクと同じ雄が何十何重と雌に刺さっている。同化している。
男女が混ざる、混合する。寄生する。融合する。
ボクはアンコウ。小さなアンコウ。
ボクは雄だから、
なくなる。
雌の体の一部だ。
ミステリー・推理
公開:18/10/06 19:35
更新:18/10/06 19:42
更新:18/10/06 19:42
スクー
男女混合のおばあちゃん
鮟鱇
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
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