1
7

深い深いまだ深い、そこは底どこまでも底
暗闇が全てを覆い 音が支配するところ
そこは窮屈とても窮屈
水の支配する場所、水が重たいとても重たい
暗い暗いまだ暗い そこは谷どこまでも谷

闇に音があるなら、無音過ぎて耳鳴りの音響く
そこにも生物がいる。確かにいる。

ぼんやりとした灯しが、風のように揺れる。
惹きつけられる。ボクは惹きつけられて行く。
辿りつく、そこは目を覆いたくなるほど痘痕。岩のよう。
しかし柔らかく、それは動く、生きている、生命。生物。
雌だ。
大きな雌。ボクの何倍も何倍も大きく、歳をとった雌。
奇怪かつ美しいおばあちゃん。

ボクはその雌に飛び込む。
噛む。噛む。

俯瞰。ボクと同じ雄が何十何重と雌に刺さっている。同化している。
男女が混ざる、混合する。寄生する。融合する。


ボクはアンコウ。小さなアンコウ。

ボクは雄だから、
なくなる。
雌の体の一部だ。
ミステリー・推理
公開:18/10/06 19:35
更新:18/10/06 19:42
スクー 男女混合のおばあちゃん 鮟鱇

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容