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ラベェイ郡アントン教会の自慢は、「天使の息の音」と呼ばれるパイプオルガンだ。
伝承では、餓えた村人達が祈っていると、像が砕け、パイプオルガンの製法と儀式の啓示が下ったのだという。以後、村は観光収入で潤った。
1973年には、ヴァチカンの奇跡認定委員会に審査申請した。結果は「保留」だった。
200の鍵盤に繋がる管の、上部は壁に並んで音を出し、下部は床下の土中に消えていた。だから、掘り返さない限り全貌は不明なのだが、掘ったせいで音が出なくなったら大問題だった。
1985年の夏のある日。パイプオルガンの音が出なくなり、調査チームが組織された。
地下には石室があった。入り口はなく、穴を開けて内部を確認すると、そこはがらんどうで、羽毛が積もっていた。 そして突き出た200本の管を咥える、200体の白骨遺体…
奇跡認定委員は、この件を黒い方のリストに記載した。
後日、教会は全焼した。
伝承では、餓えた村人達が祈っていると、像が砕け、パイプオルガンの製法と儀式の啓示が下ったのだという。以後、村は観光収入で潤った。
1973年には、ヴァチカンの奇跡認定委員会に審査申請した。結果は「保留」だった。
200の鍵盤に繋がる管の、上部は壁に並んで音を出し、下部は床下の土中に消えていた。だから、掘り返さない限り全貌は不明なのだが、掘ったせいで音が出なくなったら大問題だった。
1985年の夏のある日。パイプオルガンの音が出なくなり、調査チームが組織された。
地下には石室があった。入り口はなく、穴を開けて内部を確認すると、そこはがらんどうで、羽毛が積もっていた。 そして突き出た200本の管を咥える、200体の白骨遺体…
奇跡認定委員は、この件を黒い方のリストに記載した。
後日、教会は全焼した。
ミステリー・推理
公開:18/10/06 19:09
更新:18/10/07 09:08
更新:18/10/07 09:08
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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