お願い

大したことではない。結局のところ、たいして誰も変わらない。私の人生において、大した意味など持ちはしない。例えばそれが私のただの強がりだったとしても、強がらなくては明日のために今日の夜を正しく寝ることも、明日の朝あの道を一歩ずつ歩いていくことも、明日の昼太陽が一番私を直視してくるあの時間を一人で耐えきることも、明日の夜もうすでに寒々しい夜風の中で一人煙草を吸うことも、怖くて寂しくて辛くてできたことではないじゃないか。

そんなのみんなが知っていることなのに。どうして君は分かってくれないんだ。
言葉もなく私の心から去っていこうとする。私は傷つきたくないんだ。君が傷つきたくないからってさよならも言わないで出ていったのと同じ様に。

一人にしないでくれないか。君もそして君も、どうしてそうやって私のもとを、静かな笑顔で去っていくんだ。お願いだからもうやめてくれないか。気がおかしくなりそうだ。