本のそうじ屋さん
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澄んだ朝の空気の中、庭の草木の手入れをする。いい天気だ。
空を見上げていると、
「あの、この食器どこに片付ければいいですか?」
空のさらに上から、そう聞こえた。
本のページの間からにょきり、と顔を出す。
僕が勤めるのは、本のアミューズメントパーク。実際に本の中に飛び込んで、物語を体験できるそんな施設だ。
ページから上半身だけ乗り出して、声の主に伝える。
「ああ、適当にテーブルの上に置いてくれていいよ」
笑顔で、わかりました。と言って離れていく彼を見送り、作業に戻る。
毎日ローテーションで一冊ずつ、本の中の世界を掃除するのが僕の仕事。掃除するべき本はページが汚れてくるので分かりやすい。
施設は小さいが、本の中はとても広い。不思議な世界だ。
「終わったよ。今日もよろしくね」
先ほどの彼に呼び掛ける。
彼は、僕が今掃除し終えた本の主人公だ。
にこりと笑う。
「はい、頑張ります!」
空を見上げていると、
「あの、この食器どこに片付ければいいですか?」
空のさらに上から、そう聞こえた。
本のページの間からにょきり、と顔を出す。
僕が勤めるのは、本のアミューズメントパーク。実際に本の中に飛び込んで、物語を体験できるそんな施設だ。
ページから上半身だけ乗り出して、声の主に伝える。
「ああ、適当にテーブルの上に置いてくれていいよ」
笑顔で、わかりました。と言って離れていく彼を見送り、作業に戻る。
毎日ローテーションで一冊ずつ、本の中の世界を掃除するのが僕の仕事。掃除するべき本はページが汚れてくるので分かりやすい。
施設は小さいが、本の中はとても広い。不思議な世界だ。
「終わったよ。今日もよろしくね」
先ほどの彼に呼び掛ける。
彼は、僕が今掃除し終えた本の主人公だ。
にこりと笑う。
「はい、頑張ります!」
ファンタジー
公開:18/10/07 22:47
本
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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