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職場の空気は最悪だ。前田さんの仕事を引き継いだ今井さんがクレームを出した。「なんで重要な事が引き継ぎ書類に書かれてないんだ」という今井さんと、「そんな事、知ってて当然。書く必要ない」という前田さんの言い分。要するに二人のコミュニケーション不足だ。隣で仕事してる新入社員の僕の気持ちにもなって欲しい。
前田さんに恐る恐る仕事の質問をすると丁寧に教えてくれた。
「わからない事があれば、すぐに質問しろよ」
それを聞いた今井さんも黙っていない。
「書類の質問があった時点で負けだと思えよ。質問が来ない書類を作る事が重要なんだ。社内でもな」
「はい…」
「課長、助けて下さい。周りの空気が氷点下で凍死しちゃいます」
課長は机から袋を取り出した。
「寒冷地手当だ。レンコンチップスやるよ」
「はあ」
「レンコンで連勤頑張れ」
「は?」
「このレンコン、レンチンしたら旨いぞ」
ダメだ。この会社は極寒地獄だ。
前田さんに恐る恐る仕事の質問をすると丁寧に教えてくれた。
「わからない事があれば、すぐに質問しろよ」
それを聞いた今井さんも黙っていない。
「書類の質問があった時点で負けだと思えよ。質問が来ない書類を作る事が重要なんだ。社内でもな」
「はい…」
「課長、助けて下さい。周りの空気が氷点下で凍死しちゃいます」
課長は机から袋を取り出した。
「寒冷地手当だ。レンコンチップスやるよ」
「はあ」
「レンコンで連勤頑張れ」
「は?」
「このレンコン、レンチンしたら旨いぞ」
ダメだ。この会社は極寒地獄だ。
その他
公開:18/10/05 13:18
更新:18/10/05 14:50
更新:18/10/05 14:50
スクー
穴だらけの寒冷地手当
働きたくない会社
これでスクー完走
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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