「ゆうしのはなし」

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魔王を倒した男が国王の前に立っていた。

「お主の雄姿はこの目にしかと焼き付けた!」
「……」
「これ、シカトするでない!」
「んだよ、だりぃな。目に鹿を焼き付けたって?」
「そんな事は言っておらん!」
「オレ、かなり借金あるんだよね。この剣や鎧がめちゃくちゃ高くてよぉ」
「高くは見えぬが?」
「あんたの目は節穴か?」
「わしにどうしろと?」
「融資してくれよ、融資。あんた国王なんだろ? ポケットマネーでポンと」
「金の催促をするというのか? お主はそれでも勇士か?」
「オレの名前はユウシじゃなくて、ユウジ」
「ふざけておるのか?」
「とにかく、もう勇士は疲れたんだよ。これからは遊子として暢気な生活をしたいんだ。だから融資、頼むよ。魔王倒してやったんだから良いだろ?」
「むぅ……」

これが、とある国に代々伝わる「ゆうしのはなし」である。
こんな男になるな、という教訓が込められているとか。
その他
公開:18/10/05 23:52

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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