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毎年、俺は新人の教育係となる。今年の新人は素直な女の子だったが、少しばかり大袈裟な子だった。
「先輩、非常事態です!」
「どうした!?」
駆けつけた俺に彼女はボールペンを差し出す。
「ボールペンのインクが切れました」
「先輩、非常事態です!」
「どうした!?」
駆けつけた俺を見ながら彼女はコピー機を指差す。
「コピー用紙切れました」
「ほら、これやるよ」
俺はA4用紙の束を彼女に差し出す。
「これは?」
「俺がいないときに困らないよう、お前が聞きそうなことを全部まとめておいた」
彼女は俺の渡したマニュアルをペラペラとめくって一読すると、勢いよく顔を上げた。
「先輩、大事件です!」
「どうした? どこか分からないとこあったか?」
「いえ、その逆でして、分かってしまったんです」
「何を?」
「私、先輩のことが……好きみたいです!」
これが俺と妻との馴れ初めだ。
「先輩、非常事態です!」
「どうした!?」
駆けつけた俺に彼女はボールペンを差し出す。
「ボールペンのインクが切れました」
「先輩、非常事態です!」
「どうした!?」
駆けつけた俺を見ながら彼女はコピー機を指差す。
「コピー用紙切れました」
「ほら、これやるよ」
俺はA4用紙の束を彼女に差し出す。
「これは?」
「俺がいないときに困らないよう、お前が聞きそうなことを全部まとめておいた」
彼女は俺の渡したマニュアルをペラペラとめくって一読すると、勢いよく顔を上げた。
「先輩、大事件です!」
「どうした? どこか分からないとこあったか?」
「いえ、その逆でして、分かってしまったんです」
「何を?」
「私、先輩のことが……好きみたいです!」
これが俺と妻との馴れ初めだ。
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公開:18/10/03 22:08
更新:18/10/09 22:39
更新:18/10/09 22:39
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