赤い羽、白い羽

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街で募金をした。赤い羽をくれた。ああ、10月1日か。私もガールスカウトだったときに、駅に立って募金をお願いしたっけ。
そんな思い出にふけりながら手に持った羽を弄んでいると、向かいから幼稚園児位の子供が走ってきた。そして、「これとその赤いのをとりかえてください」と言った。
彼女が「これ」と言ったのは、手に持った白い羽。フワフワとしたちょっと頼りない感じのもの。ふと頭を見ると、白い羽でフワフワの帽子をかぶっている。どうやら帽子から一本引っこ抜いたらしい。
「とりかえてもいいけど、この赤い羽をどうするの?」
「お帽子に飾るの」
「真っ白なお帽子の方がかわいくない?」
「うーん。…。ママー」
そう叫んでその子は母親のところに走って行った。
「チッ。何やってるのよ、まったく。ほら、あっちに赤い羽をもってるおじさんがいるから、あっちに行きなさい。うーんと可愛く言うのよ」
そう言うと、私を睨みつけた。
その他
公開:18/10/01 19:27
募金スルー 赤い羽は免罪符

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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